健康日本21(第3次)の推進に役立つたばこ対策のアクションプランを作成しました
2024年度から始まった健康日本21(第三次)の効果的な推進を目指して、わが国で取組が遅れている環境整備に焦点をあて、実施主体である国や自治体、企業や保険者等向けに、たばこ対策、食生活・栄養、身体活動・運動の3分野のロジックモデルとアクションプランが作成されました。これらの作成にあたっては、日本健康教育学会が中心となり、健康日本21やたばこ対策に関わる厚労科研の研究班(辻班、片野田班、島津班)と連携・協働しました。中村正和センター長は日本健康教育学会の理事と厚労科研の研究メンバの立場で、たばこ対策のロジックモデルとアクションプランの作成に参画しました。
具体的には、第三次計画のたばこ対策の4つの目標を達成するためのロジックモデルを作成するとともに、目標達成のための各種の施策を介入のはしごで分類整理し、実施主体別にまとめました。さらに、これらの施策の中から、たばこ対策の現状を踏まえ、実施主体が相互に連携・協働して取組め、かつ実行可能性と実効性が期待できるお勧めのアクションプラン(「ベストバイプラン」)を検討し、3つのプランを提示しました。その内容は、1)日常診療や健診等の保健事業の場での短時間禁煙支援の実施、2)職域における喫煙対策実施の促進、3)法規制の強化につながる受動喫煙防止条例の制定と対策の推進、です。
これら3つのテーマの選定にあたっては、お勧めの根拠となる実行可能性と実効性を担保するために、次の方針で選定しました。すなわち、①法律的な裏付けのある既存の事業や制度を活用する(既存事業の活用)、②施策単独でなく、介入内容の異なる施策を組合せる(施策ミックス)、③複数の実施主体が相互に連携・協働する取組を提案する(多機関連携・協働)です。
≪本内容は日本健康教育学会誌の特別号としてJ-STAGEで公開されています。ぜひご覧ください。≫
日本健康教育学会誌.2024;32(Special_issue号)
健康日本21(第三次)推進に向けたアクションプランの提案―栄養・食生活,身体活動,たばこの3 分野について―
中村正和,他.たばこ対策のロジックモデルとアクションプラン(総論).
道林千賀子,他.たばこ対策のロジックモデルとアクションプランの例-成人・妊婦の喫煙率減少-.