活動報告

 

「フレイル予防の新たな地域展開を目指して」を開催しました

 

 

2022年6月15日に、ヘルスプロモーション研究センター主催のオンラインセミナー「フレイル予防の新たな地域展開を目指して」を開催しました。本セミナーは、フレイル予防に民間企業が主体的に参画している事例を紹介し、それぞれの地域の実態に合わせて、フレイル予防の新たな取り組みの展開や仕組みづくりを考える機会とすることを目的として開催しました。

 

最初に、話題提供としてヘルスプロモーション研究センターの川畑輝子より、フレイルの概説と国の事業である「高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施」の実施状況を紹介しました。

 

そのあと、フレイル予防事業を行っている3つの民間団体から演者をお迎えし、それぞれの取組について紹介していただきました。

 

神姫バス(株)の津村拓也氏からは、コロナ禍における高齢者の「引きこもり」を憂いて開始した「フレイル予防ツアー」や、ショッピングモールと連携して開催した路線バスを活用した送迎付きの「フレイル予防教室」等について、実際の映像を交えてお話いただきました。地域の交通事業者として、行政をはじめ関係団体と連携・協働して生活の中でフレイル予防ができる町づくりに取り組む決意が伝わってきました。事業の担い手となっているバスガイドさんは、当センターがコロナ禍で実施したオンライン研修(2時間7回コース)を受けて認定された「フレイル予防サポーター」です。

 

ショッピングリハビリカンパニー(株)の尾添純一氏からは、「高齢者が豊かに過ごせる地域社会の創造」を基本理念に進めている「ショッピングリハビリ®」についてお話しいただきました。独自に開発されたショッピングカートを用いて買い物をすることで、品物の選別や金銭の支払い、店員とのコミュニケーションを通して自然と高齢者の身体・認知機能を高めることができるプログラムです。

この取組を通して、高齢者の健康維持や介護予防・自立支援はもとより、地域経済の活性化や地域行政の課題解決にも貢献し、持続可能な未来を開きたいと話されました。

 

 

渋川市社会福祉協議会の登坂将志氏からは、地元のタクシー事業者やスーパーマーケットと協働して、買い物に困っている高齢者を支える「ささえあい買い物事業『あいのり』」についてお話しいただきました。

高齢者の「外出したい」「手に取って商品を選びたい」

というニーズと、移動の手段は「ドアtoドア」でなければならないという高齢者の特性に合った支援方針をもとに、幾多の障壁を創意工夫とデータを用いた提案力で乗り越え、お互いの立場を尊重し合う形で事業を実現された経緯とその効果についてお話しいただきました。

最後に総括として、座長の中村正和センター長より持続可能な高齢社会の実現に必要な力としての「商助(民間の力)」についての説明と、フレイル予防における民間企業への期待や課題についお話いただき、閉会しました。

当日は、医師、作業・理学療法士、管理栄養士を中心とする約120名が参加し、参加者からは「フレイル予防は医療、介護・福祉関係者だけではなく多くの方たちと協働していくものと改めて感じた」「フレイル予防が街づくりの一環として行われていくと、日本全体に活気が出るのではないか」等の感想が寄せられました。

当日の講義動画は、下記よりご覧いただけます。ぜひご視聴ください。

https://youtu.be/BZink9Ytflo

当日の資料はコチラ↓↓↓

https://healthprom.jadecom.or.jp/wp-content/uploads/2022/07/frail_documents.pdf