2019年度「今こそ地域診断」セミナーを開催しました
4月19日(金)・20日(土)の2日間にわたり、当研究センター主催の「今こそ地域診断」セミナーを開催しました。本セミナーは、既存の保健統計資料を用いて地域の健康課題を明らかにするデータ分析の手法を学ぶことを目標に、講義と演習の2部構成で行っています。参加者は38名で、今年も医師、保健師,管理栄養士,教員,事務職など幅広い領域から多職種の方にご参加いただきました。
1日目の講師は、当研究センターの元シニアアドバイザーの柳川洋先生で、『記述疫学の基礎と、既存統計資料の活用』をテーマに講義と演習を行いました。演習では,当センターが運営している「公衆衛生ねっと」や政府統計のポータルサイトe-Statから課題に応じた統計資料を検索し、統計資料を図表化しながら、健康課題を明らかにするグループワークを行いました。グループワーク後の発表では、講師から適切なグラフの選び方や作図のポイントについて丁寧にコメントがありました。
2日目は,横山徹爾先生(国立保健医療科学院 生涯健康研究部長)をお迎えし、『特定健診データ等を用いた地域診断の進めかた』をテーマに、国立保健医療科学院で開発された「健診・医療・介護等データ活用マニュアル」と地域診断ツールを用いて、市町村の健康課題の特徴を把握する分析手法について、講義と演習を行いました。を学びました。演習では、国保データベース(KDB)などから得られた実際のデータをみながら、具体的な読み解き方のポイントをわかりやすく解説していただきました。
セミナー後のアンケートでは、「ツールの使い方や分析の視点を学べた」「演習時間が多かったが、楽しく受講できた」などのコメントや、「今後も継続して開催してほしい」「今回の手法を用いたより実践的なワークショップがあるとよい」など、本セミナーの継続的な開催を要望するコメントを多くいただきました。
年々、医療施設からの参加が増えており、医療施設においても、患者が生活する地域の健康状態を把握したいというニーズが高まっています。多様な参加者のニーズを考慮しながら、地域診断のセミナーを今後も継続していく予定です。