活動報告

 

日本人間ドック学会学術大会にて禁煙支援・治療に関する講演をしました

岡山県で開催された第60回日本人間ドック学会学術大会において、中村センター長が「どうやってたばこから離脱するか」をテーマに、教育講演を行いました(2019年7月25日)。

 

講演では、まず人間ドックや健診等の場における短時間の禁煙アドバイスの重要性と具体的な方法について解説しました。1分程度の禁煙アドバイスでも禁煙率を向上させることが明らかになっており、禁煙の気持ちが高まった喫煙者に禁煙治療を勧めることにより、確実な禁煙につながります。わが国の喫煙率が減少する中で、ニコチンの高度依存や精神疾患を有する禁煙困難例が相対的に増加することが予想されます。その対応として、①禁煙率向上のためのカウンセリングのポイント、②禁煙補助薬の新しいエビデンスに基づいた禁煙治療の有効性についても解説しました。さらに、最近流行が顕著な加熱式たばこの健康影響の最新情報を踏まえて、その使用者への対応についても紹介しました。

オンライン診療による禁煙治療については、まだ保険適用がされていませんが、保険者が保健事業として実施する禁煙治療については初回からすべてオンライン診療での実施が可能となっています。今後、人間ドック健診施設が保険者からの委託を受けるなどして、ドック健診当日や保健指導での短時間禁煙支援と、対面またはオンライン診療による禁煙治療がワンストップで実施され、ドック健診の場での禁煙支援・治療がさらに広がることを期待します。