活動報告

 

日本栄養改善学会学術総会にて受動喫煙防止に関する講演をしました

新潟県で開催された第65回日本栄養改善学会学術総会のリレー特別講演にて、中村センター長が「『健康な食事・食環境』推進の科学的根拠 ─ 受動喫煙防止対策から ─」をテーマに、講演を行いました。

 

健康な食事を健康的な環境で提供する店舗等を認証する「健康な食事・食環境」認証制度が今年4月から始まりました。この制度では店舗や施設の屋内全面禁煙が条件となっています。

第65回日本栄養改善学会において第1回認証式が行われましたが、それに合わせて、関連学会から講師を招聘して本認証制度の意義や科学的根拠を解説する特別リレー講演が開催されました(2018年9月3日)。。

健康な食事・食環境認証式、リレー特別講演

「『健康な食事・食環境』推進の科学的根拠 ─ 主要な生活習慣病予防の視点から ─」

特別講演1:

「『健康な食事・食環境』推進の科学的根拠 ─ 肥満および糖尿病予防の視点から ─」

  門脇  孝(日本糖尿病学会 理事長、日本肥満学会 理事長)

特別講演2:

「『健康な食事・食環境』推進の科学的根拠 ─ 減塩の必要性 ─」

  土橋 卓也(日本高血圧学会 減塩委員会 委員長)

特別講演3:

「『健康な食事・食環境』推進の科学的根拠 ─ 受動喫煙防止対策から ─」

  中村 正和(日本公衆衛生学会 たばこ対策専門委員会 委員長)

中村センター長は日本公衆衛生学会の代表として、受動喫煙防止に関わるリレー講演を担当し、法制化において論点となった飲食店での規制を含め、法的規制による受動喫煙防止の意義とその科学的根拠について発表しました。

 

講演では、まず受動喫煙が原因で年間15千人の命が奪われていることを紹介し、受動喫煙の本質は「有害物質への曝露」であると述べました。2009年の厚生労働省「受動喫煙防止対策のあり方に関する検討会報告書」では、受動喫煙は喫煙者による「他者危害」であることが指摘されており、受動喫煙の本質を踏まえると、その解決策をマナーに委ねるのではなく、社会として規制することが必要です。

 

受動喫煙対策の法的規制において飲食店での規制が最大の論点となる中で、「健康な食事・食環境」認定制度で施設の屋内全面禁煙を条件としたことは、国や東京都の規制よりもさらに進んだ内容となっています。そこで働く従業員を有害物質の曝露から保護し、その健康や命を守る点で大いに評価できるといえます。

 

当日の講演資料は、こちらからご覧いただけます。