活動報告

日本公衆衛生学会総会にて中村正和センター長が飲酒対策に関する講演をしました


2024年10月30日に開催された日本公衆衛生学会総会のシンポジウムにおいて、当ヘルスプロモーション研究センターの中村正和センター長が「たばこ対策から見た飲酒対策」をテーマにシンポジストとして講演しました。

このシンポジウムでは「飲酒と公衆衛生:飲酒による健康リスク」と題して、最近の飲酒の健康リスクの知見をもとに、公衆衛生分野における今後の飲酒対策についての話題提供と討議が行われました。

中村センター長は、喫煙とアルコールの健康影響や産業構造の共通点に着目し、国内外の飲酒対策を進める上で、たばこ対策から学ぶべきポイントについて発表しました。

講演では、まずたばこ対策においては、科学的根拠のある6つの主要政策(MPOWER)がパッケージ化され、WHOのたばこ規制枠組条約下で推進され、成果を上げていることを紹介しました。飲酒対策についても、WHOからSAFERという政策パッケージが示されており、とくにSERの3つが費用効果に優れており、その推進が望まれることを指摘しました。

Strengthen             入手可能性の制限の強化

Advance                  飲酒運転対策の推進と強化

Facilitate                 使用状況のスクリーニング、短時間介入と治療の促進

Enforce                   広告、スポンサーシップ、販売促進の規制

Raise                        課税対策

飲酒対策はたばこ対策に比べて国際的に取り組みが遅れています。その理由の1つに、たばこ産業とアルコール産業の政策への関わりの違いが指摘されています。今後、たばこ規制枠組条約のように、産業側に対してもより拘束力のある規制が必要です。

関連資料

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