活動報告

 

フレイル予防セミナー2019を開催しました

人生100年時代を迎え、高齢期の健康づくりとしてフレイル予防の取り組みが全国で推進されています。当センターでは、自治体や専門研究機関と連携して、地域でフレイル予防の取り組みを担う住民ボランティアを養成し、住民が主体となったフレイル予防事業に取り組んできました。

このたび、これまでの成果をもとに、「地域の力でフレイルを先送り 住民主体のフレイル予防の実践」をテーマに、地域ぐるみでフレイル予防に取り組むためのノウハウや工夫点を好事例から学ぶセミナーを開催しました(2019年10月16日)。

テレビ会議システムを活用した今回のセミナーには、全国の28箇所の協会施設と近隣の18 自治体のほか、5つの団体から約200名を超える関係職員が参加しました。

最初に、「地域ぐるみのフレイル予防の取組み~住民運営のフレイル予防教室の実践とその効果~」と題して、兵庫県養父市での取り組みについて東京都健康長寿医療センター研究所の野藤 悠研究員に講演いただきました。地域ぐるみでフレイル予防に取り組む環境整備として、教室が担えるように養成された「シルバー人材センター」会員が有償で地区に出向く仕組みをつくることにより、フレイル予防の教室の参加者を増やし、フレイルの有病率の増加防止やフレイルの改善につながっていることが紹介されました。

続いて、「嬬恋村わっきゃない教室の取組み~栄養プログラムを中心に~」と題して、当センターの管理栄養士が話題提供を行いました。群馬県嬬恋村では兵庫県養父市の取組みを参考に、運動・栄養・社会プログラムで構成される教室を展開していますが、そこで実践されている、フレイルを予防する10の食品群(食品摂取の多様性)を軸に、それらの体内での働きや、毎日無理なく食べるコツを示す栄養プログラムの内容を中心に紹介しました。

今回は時間の限りもあり、参加者とのディスカッションが十分できませんでした。次回はそれぞれの地域での実践報告をしていただきながら、情報共有や意見交換ができるセミナーを開催できるとよいと考えています。今後、このようなセミナーを通じて、医療・介護施設と自治体との情報交換や交流を深め、多機関、多職種の連携強化を図りながら、地域や医療・介護施設におけるフレイル予防の推進に貢献していきたいと考えます。

このセミナーの開催に合わせて、地域での通いの場などですぐに使えるフレイル予防の教材を紹介しました。紹介した教材はホームページからダウンロードできます。ぜひご活用ください。

セミナーの開催の様子が専門雑誌でも取り上げられました.

「へるすあっぷ21」2020年1月号. 健康づくり最前線レポート: 栄養・体力・社会参加が鍵「通いの場」によるフレイル予防

 

 

<参考文献>

1)野藤 悠,他.兵庫県養父市におけるシルバー人材センターを機軸とした フレイル予防施策のプロセス評価およびアウトカム評価.日本公衆衛生雑誌 2019; 66(9): 560-573.

2)野藤悠,他: 群馬県嬬恋村におけるフレイル予防の取り組み-高齢者健康調査の結果とフレイル予防教室の概要-. 月刊地域医学 2017;31:122-123.

3)大井志依,他.群馬県嬬恋村におけるフレイル予防の取り組み-フレイル予防教室(わっきゃない教室)開催の報告-.月刊地域医学 2018;32(03):228-232.