活動報告

 

岡山県倉敷市の大原美術館でフレイル予防サポーター養成研修を行いました

岡山県倉敷市の大原美術館では、地域貢献活動の一環として高齢者のフレイル予防に取組むことになり、ヘルスプロモーション研究センターがそのための研修を兵庫県の神姫バス株式会社と一緒に担当しました。

研修は基礎研修とワークショップの2つのパートで構成され、基礎研修ではフレイル予防の基礎を学び、ワークショップでは具体的なアクションプランの作成と発表会を行いました。

 

基礎知識編は、研修生それぞれが自分に合った時間に受講できるよう、全22回(各回15~20分)の動画視聴による3か月間のオンデマンド研修としました。まずフレイルの基礎を学習し、続いてフレイル予防の3本柱である運動・栄養・社会参加について学び、最後に他団体が行っている先行事例を視聴することで、ワークショップでの美術館としてのアクションプラン作成につなげる構成としました。

 

動画研修は、大原美術館職員23名が受講され、ワークショップには、そのうち各部署の代表者6名と、倉敷考古館の職員1名の計7名が参加しました。1回目はグループワークでアクションプランのアイデアを出し合い、2回目はそれを基にそれぞれが個別に練り上げた案を発表しました。美術館内での対話型鑑賞や、美観地区全体を巻き込んだウォーキング&食べ歩きプラン、倉敷中央病院と連携した健診&名画鑑賞プランなど、運動・栄養・社会参加を巧みに取り入れた、アイデアにあふれる内容でした。

 

ワークショップ終了後に、名画の前で修了式を行い、柳沢学芸統括は受講生を代表し「美術館が健康増進でも地域に貢献できる可能性を切り拓いて行きたい」と述べ、中村正和センター長は「美術鑑賞はフレイル予防の効果が期待できる。これからの大原美術館の取組は、全国の美術館に影響を与えるだろう」と締めくくりました。

ヘルスプロモーション研究センターでは、行政機関だけでなく、大原美術館、神姫バス(株)などの地域の民間事業者とも協働し地域のフレイル予防の推進を支援します。