活動報告

ヘルシーコンビニプロジェクトの成果を日本公衆衛生学会総会で発表しました


地域医療振興協会が運営する台東区立台東病院において、ヘルスプロモーション研究センターが協働して進めている「ヘルシーコンビニプロジェクト」の成果を、2021年12月に開催された第80回日本公衆衛生学会総会で発表しました。

台東病院は地域ヘルスプロモーション病院としての取り組みを運営方針の一つとして掲げています。その取り組みの一環として、院内にあるコンビニを活用し、職員の食生活改善および地域に向けた食情報発信の拠点となることを目的とした「ヘルシーコンビニプロジェクト」を2018年に立ち上げました。店内の品揃えをヘルシーに変え、健康的な商品を手に取りやすく配置し、それらに関する食情報を店内外に表示して販売を促す取組です。

ヘルシーセットと食塩含有量別に陳列したカップ麺コーナー

主な取組内容は、

①既存商品を組合わせたヘルシーセット(主食・主菜・副菜が揃って適塩!)を割引価格で販売

②お茶・お水等の無糖飲料を増やして無糖飲料を手に取りやすく配置

③食塩含有量の少ないカップ麺を増やして、食塩含有量別に陳列

です。

取組の結果、サラダやヨーグルト、無糖飲料等の健康的な食品が売上げを伸ばし、甘い飲料や食塩を多く含むカップ麺の販売数は減少しました。2019年度の総売り上げは、前年比106%と増加しました。また、2018年4月と2020年4月の食事調査を比較したところ、職員の野菜・果物類・魚介類・乳製品の摂取量が増えたり、甘い飲料や菓子類の摂取量が減るなど、食習慣にも良い結果が得られました。それにより尿中ナトリウム/カリウム比が低下し、BMI適正者の割合が増えるなど、客観的数値も改善しました。

台頭病院職員の食物摂取状況の変化(2018年4月と2019年4月の比較)

職員の皆さんからは、「ヘルシーセットは野菜もとれてリーズナブルで嬉しい」「カップ麺に含まれる食塩量の多さにビックリ!」など、喜びや驚きの声が上がっています。今後は、このような取組が他の病院にも広がり、食生活に欠かせない存在となったコンビニの上手な利用法を地域住民に発信する「食育」の場になるとよいと考えています。

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