健康日本21推進全国連絡協議会総会で青森県東通村の取組を発表しました。
2022年3月10日に開催された健康日本21推進全国連絡協議会の第24回総会において、当センターの中村正和センター長が、2019年度から行っている青森県東通村での取組「東通村発短命県返上プロジェクト」について発表しました。
本取り組みは、青森県の健康課題である「短命県」を東通村から返上すべく、2019年度より、村の健康福祉課、地域医療振興協会が運営する東通地域医療センターとヘルスプロモーション研究センター、そして青森県立保健大学が連携して、取り組んでいる事業です。村の伝統芸能の継承や地域活性を上位目標に設定して、住民や地域の組織が主体となる健康づくり活動で、その活動の一部が、2020-21年度の同連絡協議会の健康日本21(第二次)普及啓発モデル事業に認定されました。
初年度(2019年)は村のキーパーソンを対象としたワークショップ(村おこしワークショップ)を行い、住民の皆さんが大切にしていること、次世代に引き継ぎたいこと、また今後改善が必要だと感じていること等について「カードゲーム」という手法を使って意見交換をしました。その結果、住民は「地域の絆」や「伝統文化」を大切にされ、それを守るために「地域の活性化」「次世代の育成」「生活習慣の改善」が必要だと感じていることが分かりました。特に運動不足や高食塩摂取などの食生活の問題や、喫煙率が高いことが課題として挙げられました。このワークショップを通して、地域の健康課題や参加者の地域への思いを共有するとともに、今後の取組にむけて関係を築く一歩となりました。
2020年は、コロナ禍で悪化が懸念される生活習慣に対して、住民の健康意識を高め、生活習慣の自己点検をして改善目標の設定と実践を促す「村民健康チャレンジ」を実施しました。延べ600人、実人数でも500人以上が参加し、「村の野菜を毎日食べる」「浜風にあたって歩く」など村ならではの目標をたて「職場の人とたくさん話すようになった」「パパと毎日話せて楽しかった」などの感想も寄せられました。詳細は下記の活動報告「村民健康チャレンジ」をご参照ください。
2021年は、厚生労働省の大規模実証事業(減塩)に参加し、健診時の尿中ナトカリ比の測定と減塩保健指導を実施し、そのフォローアップとして「村民減塩チャレンジ」を実施しました。健診後1か月減塩に取り組み、郵送尿検査キットを活用して成果を確認する取組です。2022年3月現在、32名がチャレンジ終了し、60~70歳の男性が多く参加していることが分かりました。終了者からは「しょう油をかけなくても美味しく食べられた」「甘いものを食べると漬物が食べたくなるので、甘いものを食べないようにした」などの感想や工夫が寄せられました。
2022年には本事業の1年後の評価を行います。健診時の尿による推定食塩摂取量や尿中ナトカリ比の変化に加えて、減塩商品の購買行動や活用頻度等の食行動も含めて検討する予定です。
取組の詳細については、当日の発表資料および講演動画をぜひご覧ください!
◆当日の発表資料
https://healthprom.jadecom.or.jp/wp-content/uploads/2022/04/higashitori_kenkounihonn21.pdf
◆当日の講演動画(健康日本21推進全国連絡協議会 第24回総会 会員団体活動発表(期間限定公開)へリンク)
※ヘルスプロモーション研究センターの発表 1分47秒から13分52秒まで
◆関連資料
ヘルスプロモーション研究センター活動報告
「村民健康チャレンジ」
東通村にて、コロナに負けない!「村民健康チャレンジ」を実施しています | ヘルスプロモーション研究センター (jadecom.or.jp)
キーパーソンを対象とした「村おこしワークショップ」
青森県東通村にて、「村おこしワークショップ」を行いました | ヘルスプロモーション研究センター (jadecom.or.jp)
月刊地域医学2021年8月号 「地域で進めるコロナ禍の生活習慣病とフレイルの予防」
https://healthprom.jadecom.or.jp/wp-content/uploads/2021/07/Cmed3508_746-750..pdf