自治医科大学との協働事業「ともしび塾」の食育ワークショップ2023を開催しました
ヘルスプロモーション研究センターでは、自治医科大学の学生寮生活サポートセンターと協働して、大学のカリキュラムだけでは学びが十分ではないと考えられる予防医学について、①自己管理、②患者支援、③地域の健康づくり、の3つの視点から学べる「ともしび塾」を2016年から開催しています。
この内容は、2020年8月に発表された日本学術会議の提言「生活習慣病予防のための良好な成育環境・生活習慣の確保に係る基盤づくりと教育の重要性」にも合致します。
2023年度は1回目を5月27日、2回目を2024年2月2日にそれぞれ授業の一環として半日のワークショップを開催しました。
1回目のワークショップでは、中村センター長(医師)による食事と疾病の関連や食環境整備の重要性に関する講義(特に食事バランスと食塩摂取に重点)と、管理栄養士の川畑による食事バランスガイドを用いて学生食堂やコンビニ弁当のバランスを考える演習を行いました。当日測定した自分自身の尿中Na/K比を用い、前日の食事記録と照らして、自分の食事の課題を振り返る演習も行いました。
2回目のワークショップでは前半をクイズや演習を通して2023年5月に学習した内容を振り返り、理解を深める内容としました。食塩摂取については、生化学実習の際に24時間蓄尿で測定した尿中のNaとK濃度のデータを用いて、これまでの1年生との比較や自分たちの食習慣の振り返りをしました。
後半は、当日の昼食として準備した、株式会社吉野家がスマートミール*の認証を受けて提供する「牛丼ON野菜」を教材とし、丼物やワンプレートでも主食・主菜・副菜のそろうバランス食が作れることや、外食・中食産業で健康的な商品を創出・販売する「食環境整備」の意義について学びました。
また、医療施設での取組例も紹介し、将来自分がやってみたい食環境整備のアイデアを出し合いました。「職場に野菜スムージーが作れる機械を設置する」「スーパーと連携して食品を購入すると足りない栄養素が分かる仕組みを作る」など実践的な意見がたくさん出ました。
本ワークショップが、自身の食生活改善と卒業後の患者教育や地域の健康づくりに役立つことを期待します。
*スマートミール:日本栄養改善学会と日本給食経営管理学会を中心とする13学会等からなる「健康な食事・食環境」コンソーシアムが、外食・中食・事業所給食で、「健康な食事(主食・主菜・副菜が揃い、食塩のとり過ぎにも配慮した食事:スマートミール)」を、継続的に健康的な環境で提供する店舗や事業所を承認する制度:https://smartmeal.jp/
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